今回は、「背理法」についてです。
そもそも背理法とは数学の証明方法の1つです。
どうやって使うのか、いつ使えるのかなど解説していきたいと思います。それでは!
レッツゴー
目次
背理法
背理法とは
証明したい命題Aがあるとします。
背理法ではまず命題Aを否定することから始まります。
そして、命題Aを否定したままだとどこかで矛盾が生じます。
矛盾が生じるということは始めに命題Aを否定したことが間違いであるということが分かります。
よって、命題Aが正しいと言える。
これが背理法の証明方法です。
文字だけでは分かりにくいので、1つ例題を解いてみます。
背理法でよく使われるのは√2が無理数であることの証明です。
では証明していきます。
例題:√2が無理数であることの証明
証明
√2が有理数であると仮定する。
√2は有理数なので、互いに素※である自然数mとnを用いて、
√2=m/n
と表せる。
ここで式を整理すると、
2n²=m²
となる。
ここで、m²が2の倍数なので、mも2の倍数である。
よって、任意の整数kを用いて、
m=2k
と表せるので、
2n²=m²=4k²
となり、この式を整理すると、
n²=2k²
となり、n²が2の倍数なので、nも2の倍数となる。
これはmとnが互いに素であることと矛盾する。
よって√2は無理数である。
※互いに素とは、mとnは1以外に同じ約数を持たないことを示しています。
mとnはこれ以上約分できないと考えても良いです。
証明では、まず√2が無理数であることを否定します。
つまり、√2が有理数であると仮定して話を進めます。
すると矛盾が出てきました。
矛盾が出たら、あとは証明を締めくくって終わりです。
√3も同じように証明できます。
例題:√3が無理数であることの証明
証明
√3が有理数であると仮定する。
√3は有理数なので、互いに素である自然数mとnを用いて、
√3=m/n
と表せる。
式を整理すると、
3n²=m²
となる。
ここで、m²が3の倍数なので、mは3の倍数である。
よって、任意の整数kを用いて、
m=3k
と表せるので、
3n²=m²=9k²
となり、この式を整理すると、
n²=3k²
となり、n²が3の倍数なので、nは3の倍数となる。
これはmとnが互いに素であることと矛盾する。
よって√3は無理数である。
例題:三角形の内角のうち少なくとも1つは60°以上になる
証明
三角形の内角が全て60°未満であると仮定する。
すると、3つの内角の和が180度未満となる。
しかし、三角形の内角の和は180°であるので、これは矛盾する。
よって、三角形の内角の少なくともうち1つは60°以上になる。
まとめ
今回は背理法の使い方と、実際に問題を解いての解説となりました。
いかがでしたしょうか。
なんか難しい感じがしますが、テンプレがあるのでそれにあてはめる作業をするのが背理法です。
背理法は否が応でも数学的なセンスが試されます。
なので、普段から数学の問題を解いている人は、この証明が得意だと思います。
問題で、
「√3が無理数であることを証明せよ」
と出題されれば背理法の使い方は簡単ですが、
「√3は無理数であるか」
という問題が出た場合は、√3が無理数であることを知っていないと、背理法の導入で、
√3を無理数と仮定すると
√3を有理数と仮定すると
の2択で間違ってしまう可能性があります。
ここを間違ってしまうと、証明に時間が倍近くかかってしまうので、数学的な勘を持てるようにしましょう。
と、ながながと書いてしまいました。
今回は以上です。それでは
ザ・エンドってね
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