今回は円周角の定理が使えることを証明するという問題です。
こういう定理の証明って意外と面白いんですよ。
そういえばありましたねこんなのが。
あの公式(定理)はどうして使えるの?第3弾!
第1弾と第2弾はこちら。
【一目で分かる!】図で解説。なぜ円の面積の公式は「半径×半径×円周率(π、3.14)」なのか
【お勉強】「存在感はないから焦点を当ててやるの巻」 こんな公式あったっけ?
今回は公式ではなく定理なので今回から定理追加です。
それでは今回の主役円周角の定理の問題にいってみましょう。
レッツゴー
定理紹介
円周角の定理は2つあります。
定理1
1つの孤に対する円周角の大きさは、中心角の大きさの半分になる
∠ACB=(1/2)×∠AOB
∠AOB=2×∠ACB
定理2
同じ弧に対する円周角は等しい
∠ACB=∠ADB
今回使うものは外角の公式というものだけです。
図にするとこうです。
証明
定理1の証明
まずは定理1から証明していきます。
の前に、定理1も3つに分かれます。
3つのパターンをそれぞれ証明していきます。
パターン1
まずは定理の紹介で使ったこの図です。
この図に下図のように補助線を引きます。
ここで、OAとOCは円の半径なので長さは同じです。
よって、△AOCは二等辺三角形であることが分かります。
同様に△COBも二等辺三角形です。
このことから、
∠OAC=∠OCA
∠OBC=∠OCB
となります。
また外角の公式から、
∠AOD=∠OAC+∠OCA=2∠OCA
∠BOD=∠OBC+∠OCB=2∠OCB
となるので、
∠AOB=∠AOD+∠BOD=2×∠OCA+2×∠OCB=2×(∠OCA+∠OCB)=2×∠ACB
とるので、円周角の定理1のパターン1が証明できます。
パターン2
次は、ACが円の中心を通っているパターンです。
ACが直径であるということですね。
これは比較的簡単に求まります。
やることはほとんど変わりません。
まず先ほどと同様に考えて、△OCBは二等辺三角形です。
よって、
∠OCB=∠OBC
また外角の公式から、
∠AOB=∠OCB+∠OBC=2×∠OCB
より証明終わりです。
パターン3
最後は∠ACBの外側に∠AOBがあるパターンです。
これもまずは補助線を引きます。
ここでも考えることは一緒です。
ただ今回は角度の引き算になっているだけです。
△AOCと△OCBは二等辺三角形です。
よって、
∠OAC=∠OCA
∠OBC=∠OCB
です。
また外角の公式から、
∠DOA=∠OAC+∠OCA=2×∠OCA
∠DOB=∠OBC+∠OCB=2×∠OCB
です。
よって、
∠AOB=∠DOB-∠DOA=2×∠OCB-2×∠OCA=2×(∠OCB-∠OCA)=2×∠ACB
となり証明完了です。
この3パターンさえ証明できれば定理1は証明完了です。
定理2の証明
せっかくですから先ほど証明した定理1を使っていきましょう。
このように補助線AOとBOを引くと、定理1より、
∠AOB=2×∠ACB
∠AOB=2×∠ADB
となります。よって、
∠ACB=∠ADB
と簡単に求まります。
まとめ
皆さんが普通に使っていた定理にも当たり前ではありますが使える理由がしっかりあるんです。
これを知っているかいないかで特に何も変わりませんが、これがなぜ使えるか考えられることはとても大切なことではないかと思います。
数学だけでなくいろいろな所で考えられるようになった方が良いと思いますので。
今回は以上になります。
証明シリーズは自分が好きなのでまだまだ続きそうです。
今回は以上になります。それでは
ザ・エンドってね
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