今回はうっすいうっすい存在感の公式が成り立つのはなぜなのかを証明しました。
そうです。
皆さまお待ちかねの、
あの公式はどうして使えるの?第2弾
ですよ!
続きましたよこのシリーズ!
第2弾となる今回はかなりマニアックなものを紹介します。
第1弾はこちら。
【一目で分かる!】図で解説。なぜ円の面積の公式は「半径×半径×円周率(π、3.14)」なのか
今回はほとんどの人が覚えてなさそうなものをチョイスしました。
さっそく証明にいってみましょう!それでは
レッツゴー
目次
公式紹介
上図は、
- AB//CD//EF
- AB=a、EF=b
です。
ここで、
x=ab/(a+b)
という公式があります。
こんな公式があったの覚えていましたか?
いつ使うんねん!
と思わずツッコミを入れたくなるようなこの公式。
中学生の頃ではこの公式を証明しようなんて思わなかったですが、最近は公式を見ると証明したくなってしまいます。
今回はこの公式を証明していこうと思います。
証明と言っても僕が言っている証明はこんな理由でこの公式は使えますよ、くらいのものですのであしからず。
公式の証明シリーズも数学を楽しんでほしいだけなので。
と、話が長くなりましたがさっそく証明にいってみましょうか。
証明
相似な図形
まず注目したいのは△ABFと△CDFです。
この2つの三角形は相似な三角形になっています。
安心してください、相似についても説明します。
今回覚えてほしい相似についての知識は2つ!
相似な図形では...
上図のような2つの相似な三角形を考えてみます。
特徴1つ目は、対応している辺の長さの比が同じということです。
今回対応している辺は、
- ABとDE
- BCとEF
- CAとFD
です。
またこの三角形の相似の比は、
左の三角形:右の三角形=2:1
です。
右から左の辺の長さは2倍と考えても大丈夫です!
つまり、
AB:DE=BC:EF=CA:FD=2:1
です。
相似な図形であることを証明するには
2つの三角形が相似であることを証明するには、
- 3組の辺の比が全て等しい
- 2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しい
- 2組の角がそれぞれ等しい(今回使用する条件)
のどれかに当てはまれば良く、今回は3つ目の条件である、
2組の角がそれぞれ等しい
のみを使います。
今回はこの2つの特徴だけを知っておけば大丈夫です!
それでは、△ABFと△CDFについて見てみましょう。
△ABFと△CDF、△EFBと△CDB
皆様に1つ質問です。
直感的にでもよいので答えを考えてみてください。
上の図の∠aと∠bは等しいでしょうか?
どうですか?
これってなんとなく等しそうじゃないですか?
右の線をスライドさせていけばピッタリ左の線と重なるわけですから角度は等しくなりそうです。
実はこれは直感の通り角度は等しくなります。
数学の世界ではこれを同位角と言って、
同位角を作る線が平行であればその角度は等しい
ということが言えるんです。
文字にするとややこしいので図で覚えても大丈夫ですよ。
これが何の役に立つのか。
これを使うことで相似な三角形があることが分かるんです。
先ほどの説明で解説したことを使うと、図の、
- ∠ABFと∠CDF
- ∠BAFと∠DCF
はそれぞれ平行な線の同位角なので、
∠ABF=∠CDF
∠BAF=∠DCF
になります。
ここで出てくるのが、相似な図形で紹介した相似の条件、
2組の角がそれぞれ等しい
です。
これを使うことで、
△ABF∽△CDF
となります。
※∽は相似と読んで、図形が相似であることを表します。
同じように△EFBと△CDBについても同じことが言えます。
よって、
△EFB∽△CDB
です。
ここでおさらいですが、相似な図形ではどのような特徴があったか覚えていますか?
それは、
相似な図形では対応する辺の比が全て等しい
というものでした。
ここからはこれを使っていきます。
クライマックス
まず、辺DFをy、辺BFをzと置きます。
△ABF∽△CDFなので、
AB:CD=BF:DFとなります。
これに文字を代入すると、
a:x=z:y
比の計算は、
中×中=外×外
なので、
xz=ay
z=ay/x
となります。
zを使うのはここまでです。
この計算で、
- BF=ay/x
- DF=y
- BD=BF-DF=(ay/x)-y
となります。
ここで、△EFB∽△CDBなので、
EF:CD=FB:DB
となり、これにも文字を代入すると、
b:x=(ay/x):(ay/x)-y
(ay/x)x=b{(ay/x)-y}
ay=(aby/x)-by
両辺yで割ってyを消去する。
a=(ab/x)-b
a+b=ab/x
両辺の逆数を考えて、
1/(a+b)=x/ab
x=ab/(a+b)
と求まります。
数学で証明をする際は分数の分母が0でないことを明言しないといけませんが、ここではそこまでの厳密さは求めません。
何度も言いますがここでは数学の楽しさを知ってほしいだけですので。
と、この存在感がなかった公式にも焦点を当ててあげられました。
まとめ
お疲れ様でした。
公式の証明もなかなか面白くないですか?
勉強を能動的にやっている今だから言えるだけかもしれませんが...
この公式の証明の仕方が楽しんでもらえたり、役に立ったと思って頂ければ幸いです。
今回は以上になります。それでは
ザ・エンドってね
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