今回は京都大学の入試で出された有名問題を証明していこうと思います。
さっそく問題にいってみましょう。それでは
レッツゴー
問題
tan1°は有理数か。
これです。
問題というのはこういう少ない言葉で書かれたものが難しいんです。
言葉が多いということは条件が多く与えられていることになります。
なので、問題文は多い方が簡単であることが多いです。
ここで、この問題を見ると、
問題文すっくな!
と思うわけです。
ということはこの問題は難しい。
まあ京都大学の入試問題が簡単なはずもないですが...笑
証明もさぞ長々となりそうですが、いったいどう解いていくのか。
解説パートにいってみましょう。
よく分かる解説
解説①
道筋を立てる
証明ではここに時間をかけるべきでしょう。
時間のかけすぎはもちろんだめですが。
まず、tan1°の値を知っている人はほとんどいないでしょう。
なので、自分が分かるtanを導き出せないか、と思うわけです。
ここで出てくるのが、tanの加法定理です。
覚えている方は少ないんじゃないでしょうか。
tanの加法定理とは、
というやつです。
昔は
tan(α+β)は1引くタンタン分のタン足すタン
で覚えてました。皆さんはどうでした?
これを使って、tanを1°から増やしていくわけです。
次に、この問題は有理数か、無理数かどちらかが分かれば証明は終わりです。
ここで思い出したいのは背理法です。
背理法を使う際は数学的な直感が試されます。
今回はtan1°が無理数な気がすると思えるかどうかです。
ここで、tan1°が有理数と思ってしまうと、証明はできますが時間が倍ほどかかってしまいます。
なので、この辺は普段から数学をやっているかが試されたりします。
さあ、これだけ道筋を立てたら手を動かしていきましょう。
解説②
証明開始
証明
tan1°が有理数と仮定する。
ここで、0°<α、β<90°、α+β≠90°、α-β≠90°であれば加法定理、
成り立つ。
これを用いるとtan2°が以下のように表せる。
ここで、tan1°が有理数ならば、tan2°も有理数である。
これを繰り返すことで、tan4°、tan8°、tan16°、tan32°も有理数となる。
ここで、加法定理、
を用いるとtan30°は
となる。
ここで、tan32°とtan2°が有理数とするとtan30°は有理数となる。
tan30°の値は、
である。
ここで、√3は無理数なので、tan30°が有理数であることと矛盾する。
以上から、tan1°が無理数であることが証明できた。
となかなか大変でしたが、本番では√3が無理数であることを証明するのが良いでしょう。
√3が無理数なのはご存知かもしれませんが、採点基準は分からないため完璧な解答をしておきたいところです。
√3が無理数であることの証明はこちらから。
背理法っていったい何者?例題3問を使って解説してみた【ただのテンプレ作業です】
まとめ
今回は京都大学の入試問題の解説をしていきました。
さすがの京都大学、難しい問題ですが、面白い問題を作りますねぇ。
こんな問題ばっかではないですが、たまにこういう問題が出るのが難しい大学入試の醍醐味だと勝手に思ってます。
というわけで今回は以上です。それでは
ザ・エンドってね
関連記事
東大入試の有名問題『円周率が3.05より大きいことの証明』はどうやるの?明日から自慢できる知識【面白い数学の問題】
算数オリンピックからの挑戦!正十二角形の謎を解く【面白い数学の問題】
コメント