今回は、この動画でのコメントで、周の長さが同じ場合、正n角形のnが大きいほど面積が大きくなるのはなぜなのか、というものをいただきました。
なのでそのことについて解説をしていこうと思います。
かなり難しい内容になります。心してください。
また、今回の証明で間違っている点などありましたらご指摘いただけるとありがたいです。
それではさっそく今回の証明にいってみましょう!
レッツゴー!
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証明
正n角形の面積の公式
正n角形の1辺の長さをa、周の長さをℓ、面積をSとします。
ちなみに、nは3以上になります。
正n角形の面積Sは、
$$S=\frac{na²}{4\tan\frac{π}{n}}$$
となります。
この式が成り立つ証明はまたの機会に。今回はこの式が成り立つ前提で話を進めていきます。
ここで、ℓは周の長さなので、正n角形の1辺であるaがn個分になります。
よって、
$$ℓ=na$$
となります。
これより、
$$a=\frac{ℓ}{n}$$
となります。よって、
$$S=\frac{na²}{4\tan\frac{π}{n}}=\frac{n(\frac{ℓ}{n})^2}{4\tan\frac{π}{n}}$$
となります。
これを整理すると、
$$S=\frac{ℓ^2}{4n\tan\frac{π}{n}}$$
となります。
nの変化による面積の変化
ここで、周の長さℓは一定なので、分母のnによる面積Sの変化を見れば良いです。
$$n\tan\frac{π}{n}$$
この式が、nが大きくなると小さくなっていく、ということが証明できれば今回の証明は終わりです。
nが大きくなるにつれてこの式が小さくなれば、Sの式は大きくなり、nが大きいほど面積が大きくなることを証明できるからです。
ここで、
$$f(n)=n\tan\frac{π}{n}$$
とします。
ここからは、f(n)が単調減少することを証明していきます。
f(n)は単調減少する
そのために、f(n)の微分f’(n)を求めます。
f’(n)<0が示されれば、f(n)が単調減少することが示されます。
$$f’(n)=\tan\frac{π}{n}+n・\frac{1}{\cos^2\frac{π}{n}}・(-\frac{π}{n^2})$$
$$f’(n)=\tan\frac{π}{n}-\frac{π}{n\cos^2\frac{π}{n}}$$
$$f’(n)=\frac{\sin\frac{π}{n}}{\cos\frac{π}{n}}-\frac{π}{n\cos^2\frac{π}{n}}$$
$$f’(n)=\frac{1}{\cos^2\frac{π}{n}}・(\sin\frac{π}{n}\cos\frac{π}{n}-\frac{π}{n})$$
ここで、$$\frac{π}{n}=t (0<t≦\frac{π}{3})$$
とします。
すると式は、$$f’(n)=\frac{1}{\cos^2\frac{π}{n}}・(\sin\frac{π}{n}\cos\frac{π}{n}-\frac{π}{n})=\frac{1}{\cos^2 t}・(\sin t\cos t-t)$$
となります。
ここからは、
$$f(t)=\frac{1}{\cos^2 t}・(\sin t\cos t-t)$$
について考えていきます。
ここで、
$$0<t≦\frac{π}{3}$$
の範囲では、
$$\frac{1}{\cos^2 t}>0$$
です。
また、$$\sin t\cos t=\frac{1}{2}\sin 2t$$
なので、$$\sin t\cos t-t=\frac{1}{2}\sin 2t-t$$
と変形できます。
ここで、
$$\frac{1}{2}\sin 2t-t<0$$
です。
これを考えるために、$$y=\frac{1}{2}\sin 2t$$
の微分を考えてみます。
すると、$$y’=(\frac{1}{2}\sin 2t)’=\cos 2t$$
となります。これは、$$y=\frac{1}{2}\sin 2t$$
のグラフの傾きとなります。
$$0<t≦\frac{π}{3}$$
より、$$-\frac{1}{2}≦\cos 2t<1$$
なので、
$$y=\frac{1}{2}\sin 2t$$
の傾きは1未満ということが分かります。
ここで、$$y=t$$
のグラフは、傾きが1です。
よって、$$y=\frac{1}{2}\sin 2t$$と$$y=t$$をグラフにすると、y=tが常に上にあることになります。
$$オレンジ:y=\frac{1}{2}\sin 2t$$
$$青:y=t$$
つまり、tの方が常に大きいということです。
よって、
$$\frac{1}{2}\sin 2t-t<0$$
となります。
よって、$$f(t)=\frac{1}{\cos^2 t}・(\sin t\cos t-t)<0$$
となったので、$$f’(n)<0$$
となり、f(n)が単調減少であることが分かりました。
よって、nが大きくなるほどf(n)は小さくなるので、nが大きくなるほど、
$$S=\frac{ℓ^2}{4n\tan\frac{π}{n}}$$
は大きくなります。
よって、正n角形の面積はnが大きいほど面積が大きいことが証明できます。
まとめ
皆さん、精査してください。
というわけで今回は、正n角形の面積はnが大きいほど大きくなることの証明でした。
今回は以上になります。それでは
ザ・エンドってね
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コメント
ザ・エンドではなく
ジ・エンドな気がします。
(マジレス失礼しました)