今回は足し算ができれば誰でも挑戦できる問題を用意しました!
ただ、簡単には解けないようになっているので、試行錯誤して正解にたどり着いてください。
それではさっそく今日の問題にいってみましょう!
レッツゴー!
YouTubeでも動画を投稿していますので是非ご覧ください!
問題
2つの負(-)ではない2つの整数(0,1,2,3,…)の足し算で0にする場合、
0+0
の1通りに、1にする場合は、
0+1、1+0
の2通りになります。
これが3つの場合0は、
0+0+0
となり、1にする場合は、
0+0+1、0+1+0、1+0+0
の3通りになります。
ここで問題です。
①:負(-)ではない2つの整数の足し算で100にする場合は何通りになるでしょうか?
②:負(-)ではない3つの整数の足し算で100にする場合は何通りになるでしょうか?
100にする場合は、2つの負ではない整数を使う場合は、「50+50」、3つの場合は、「50+50+0」などが考えられますね。
さて、これは全部で何通りになるでしょうか?
1つ1つ考えてもいいですが、それはなかなか大変なので別の視点から考えてみましょう。
ここから先に答えがあります。
答え
①:101
②:5151
よく分かる解説
この問題は足し算ができれば誰でも挑戦はできますが、簡単に解くにはかけ算が必要になってきます。
と言ってもこの記事を見ている人はかけ算は習っている人ばかりだと思うので、かけ算の説明は省きます。
さて、まずは①から考えていきましょう。
解説1
①の解説
こちらは気付いた方も多いのではないでしょうか。
これは意外に簡単です。
負ではない2つの整数で100を作るには、
0+100、1+99、2+98、…99+1、100+0
となります。
ここから分かるのは、左の数字が0から1ずつ増えて最後は100になっているという事です。
左の数字のみを書くと、
0、1、2、…99、100
となりますね。
これを数えればいいだけなので、答えは101となります。
また、この考えから、2つの負ではない整数で何か数字を作るときは、その作りたい数字に1を足せばすべての通りを考えることができます。
例えば、0を作る場合は、0+1で1通り、1を作る場合は、1+1で2通り、といった具合です。
この問題のように100を作りたければ、0~100までを数えて101通りになります。
これは次の②の考えでも使うので覚えておいてください。
解説2
②の解説
これはなかなか難しいです。
では、左の数字が0の場合を考えてみましょう。
この場合、
0+?+?=100
になります。
これって何通りかすでに分かっていますよね?
そうなんです、①で考えた2つの負ではない整数で100を作る場合と同じになっています。
つまり、左の数字が0の場合は101通りになります。
では、最初の数字が1の場合はどうなるか考えてみましょう。
この場合、
1+?+?=100
になり、これは2つの負ではない整数で99を作る場合と同じです。
そして、それは100通りになります。
なぜなら、2つの負ではない整数で何か数字を作るときは、その数字に1を足せばすべての通りを考えられるからです。
このように、左の数字を0~100に変えていくと、
0+?+?=100の場合:101通り
1+?+?=100の場合:100通り
2+?+?=100の場合:99通り
・・・
100+?+?=100の場合:1通り
となります。
よって答えは、1~101までの数字を全て足したものになります。
これを数える際にも1つ工夫をしてあげましょう。
1+2+3+4+5+6+7+8+9
のように1つずつ増える数字の場合は、端の数字を足して考えると良いです。
上の例の場合は、1+9=10、2+8=10のように端を足していくと全て10になります。
これが何個あるかというと、真ん中の数字は端がないのでその手前までで4つです。
つまり、10×4+5=45となります。
この式の意味は、10(端を足したもの)が4つと、真ん中の数字の5が1つという意味です。
これを使いましょう。
問題では、
1+2+3+…+51+…+99+100+101
と、51が真ん中の数字になっています。
よって端を足した102が50個と51が1個で、
102×50+51=5151
となります。
以上から答えが5151と求まります。
追加解説
少し応用
ここからは総和の公式というものを知っている人向けです。
1+2+3+…のように1つずつ増えていく数字を足し合わせる時には公式があります。
それは、
$$\frac{1}{2}n(n+1)$$
ここでnは最後の数字
というものです。
これを考えると、1~101までの数字の総和は、
$$\frac{1}{2}×101×102=5151$$
と求めることもできます。
そして、ここまでの解説で、3つの負ではない整数で何か数字を作るときは、1からその数字に1を足した数までの総和を出せばよいことが分かります。
100の場合なら、1~101までを足し合わせればいいということですね。
これを考えれば、3つの負ではない整数で何数字を作る場合は、
$$\frac{1}{2}(n+1)(n+2)$$
とすれば求めることができることになります。
今回の問題なら、
$$\frac{1}{2}×(100+1)×(100+2)=5151$$
となります。
もし、3つの負ではない整数で999を作る場合は、
$$\frac{1}{2}×1000×1001=500500$$
となります。
これを考えていくと、4つの負ではない整数でもこのように数字を当てはめるだけで答えの出せる式が考えれます。
もしやってみたい方はぜひ挑戦してみてください。
さらに追加解説
とばしてOK
では、4つの場合も5つの場合も考えられるようにするにはどうすれば考えやすいかを解説していきます。
が、考えやすいと言っても、簡単ではありません。(むしろかなり難しいと思います)
ここからはかなり発展的な内容になります。
まず、
「2つの負ではない整数で何か数字を作る時に何通りになるか?」という記号をA2(n)
とします。
Aの隣の2が使う数字の数、nは作りたい数字です。Aに意味はありません。
例えば、2つの負ではない整数で2を作る場合は、
A2(2)=3
となります。
ここまでの説明で、
A2(n)=n+1
であることは分かっています。
なぜなら、2つの負ではない整数で何か数字を作る時に何通りかを考える時は、作りたい数字に1を足した数が答えになるからです。
ここでA3(n)を考えてみます。
A3(n)は、
$$A3(n)=\sum_{k=0}^{n}A2(n-k)$$
と表すことができます。
ここで、ΣはKが0~nまで変化した時の値を足し合わせるという記号です。
例えば、A3(2)の場合、
$$A3(2)=\sum_{k=0}^{2}A2(2-k)$$(今、n=2)
となり、
k=0、1、2の時、
A2(2)、A2(1)、A2(0)
となり、これらを全て足し合わせた数がA3(2)になるということです。
ちなみに、
A2(2)=3、A2(1)=2、A2(0)=1
なので、
A3(2)
=A2(2)+A2(1)+A2(0)
=3+2+1=6
となります。
これは、最初の説明と考え方は同じになっていますが、便利なことがあります。
それは、
$$A3(n)=\sum_{k=0}^{n}A2(n-k)=\sum_{k=0}^{n}(n-k+1)=(n+1)・(n+1)-\frac{1}{2}n(n+1)=\frac{1}{2}(n+1)(n+2)$$
と表せること、そしてこれを使えば、
$$A4(n)=\sum_{k=0}^{n}A3(n-k)=\sum_{k=0}^{n}\frac{1}{2}(n-k+1)(n-k+2)=\frac{1}{2}(n+1)(n+2)・(n+1)-\frac{1}{2}(2n+3)・\frac{1}{2}n(n+1)-\frac{1}{2}・\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)=\frac{1}{6}(n+1)(n+2)(n+3)$$
と、Ax(n)のような値を知りたければ、xの1つ前のAx-1(n)のk=0~nのΣ(総和)を考えればいいという点です。
あとは総和の公式などを使って考えれば、Ax(n)がすぐにではないですが、ある程度求めやすくなります。
これが、Ax(n)と表して考えると便利な点です。
気になる方は総和の公式や考え方を理解してからもう一度この考え方にふれてみて感動をぜひ味わってください!
全部ではないですが、総和の公式を紹介している動画があるのでぜひご覧ください!
↓総和の公式の動画はこちら!
まとめ
今回の問題は足し算とかけ算だけで全てが解決できる問題でした。
法則に気付けたときはかなり気持ちよかったのではないかと思います。
また、今回の問題では、「2問あるときは1つ目の答えを使う」、という数学の常套テクニックを使ってみました。
数学あるあるですね。
ここに気付けると解きやすかったかも?です。
あとは総和の考えですね。
これは知らなくても、端を足すというテクニックは聞いたことあるんじゃないでしょうか。
総和も使っているのは端を足すという考えです。
総和を学びたい人はこちらからどうぞ。
少し詳しく総和についてふれています。
というわけで今回は以上になります。それでは
ザ・エンドってね
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