今回は算数オリンピックの問題で面白い問題があったのでご紹介します。
算数オリンピックということで使う知識は小学生まので知識になります。
さっそく問題にいってみましょう!それでは
レッツゴー
問題
容器Aに2000Lの水が入っています。
この水を次の手順で移し替えていきます。
- 1回目は容器Aの1/2の量の水を容器Bに移す
- 2回目は容器Bの1/3の量の水を容器Aに移す
- 3回目は容器Aの1/4の量の水を容器Bに移す
- ・・・
- 1999回目は容器Aの1/2000の水を容器Bに移す
ここで問題です。
1999目にAからBに移した後に容器Aに入っている水の量は何Lでしょうか。
もちろんこの作業を1999回分追っていけば答えは求められます。
かなり面倒な作業になりますし、もちろん模範解答はそんなことはしません。
数学はいかに楽できるかを考えましょう。
今回はヒントありです。
自力で考えたい人は、ここでいったん止めて考えてみてください。
ヒント
試してみてください。
これはもうほぼ答え並みのヒントです。
ここから先に答えがあります。
答え
1000L
よく分かる解説
こういった問題が出た時は何回か試しにこの作業をしてみて何か法則がないかを探ります。
これが定石でしょう。
では今回の作業を試してみます。
また、この先の1/2や1/6などの表現はもともとAに入っている水1000Lに対して1/2や1/6と表現しています。
1回目
1回目はAからBに1/2移します。
この時、Aには1/2、Bにも1/2だけ水が入っています。
A:1/2
B:1/2
2回目
次にBからAに1/3だけ移します。
今Bには1/2だけ水が入っているので、その1/3ということは、
(1/2)×(1/3)=1/6
と、1/6だけAに移すことになります。
つまりAには1/2+1/6=4/6=2/3、Bには1/3だけ水が入っています。
A:2/3
B:1/3
3回目
次はAからBに1/4だけ水を移します。
今Aには2/3だけ水が入っているので、その1/4ということは、
2/3×1/4=1/6
と、1/6だけ容器Bに移すことになります。
つまりBには1/3+1/6=1/2、Aには1/2だけ水が入っています。
A:1/2
B:1/2
勘のいい方ならこの辺りで気付くことがあると思いますがもう少し続けます。
4回目
次はBからAに1/5だけ水を移します。
今Bには1/2だけ水が入っているので、その1/5ということは、
1/2×1/5=1/10
ち、1/10だけAに移すことになります。
つまりAには1/2+1/10=6/10=3/5、Bには2/5だけ水が入っています。
A:3/5
B:2/5
5回目
次はAからBに1/6だけ水を移します。
今Aには3/5だけ水が入っているので、その1/6ということは、
3/5×1/6=1/10
ち、1/10だけBに移すことになります。
つまりBには2/5+1/10=1/2、Bには1/2だけ水が入っています。
A:1/2
B:1/2
もうお分かりですね。
この作業を繰り返すと1,3,5,・・・と奇数回の時にはAとBに1/2ずつの水が入っているということになります。
よって、奇数回である1999回目もAとBには1/2ずつの水が入っており、答えは2000÷2=1000となります。
おまけ
ではなぜこのようなことが起こるのでしょうか。
少し考えてみてください。
ここから先にその解説があります。
Aに入っている水を1として考えていきます。
AはBに入っている水の1/Xの水をもらい、次に1/(X+1)の水をBに渡すとして考えます。
下に出てくるYはY=X+1です。X+1で計算していくと式がややこしくなるのでYとしました。
Bから(1/X)もらう
1+1/X
=(X+1)/X 補足:1=X/Xなので1+(1/X)=(X/X)+(1/X)=(X+1)/X
=Y/X
Bに(Y/X)×(1/Y)渡す
(Y/X)-(Y/X)×(1/Y)
=(Y/X)×{1-(1/Y)}
=(Y/X)×{(Y-1)/Y}
ここで、Y-1=Xなので、
(Y/X)×{(Y-1)/Y}
=(Y/X)×(X/Y)
=1
となります。
これで何が分かったかというと、1/2もらい1/3渡すなどの分母が1つ違うものを渡し、もらうという作業をすると元の水の量(問題では1/2)に戻るということです。
1/Xもらい1/(X+1)渡した後の水の量が元の水の量である1に戻るという式ができたからですね。
よって、1回目の作業で1/2になった後はこのように2回に1回のぺーずで1/2に戻ることが分かります。
問題の順番で見ると奇数回目はAとBの水の量は1/2ずつになるということになります。
まとめ
この問題は1/2に戻ることは分かったけどなんでそうなるかは分からないではもったいないと思います。
法則があるということは式にできるんじゃないか?というとこまで考えると面白いですよ。
と、今回は算数オリンピックの問題と解説でした。
今回は以上になります。それでは
ザ・エンドってね
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